FAEVIA · COLUMN
一人会社の社会保険と加入手続き
社長一人の会社でも、健康保険・厚生年金保険の手続きが必要になることがあります。役員報酬の有無や勤務の状況によって確認が必要ですが、人数が一人だから対象外、とはいえません。加入する場合は、会社の事業所についての届出と、社長本人についての届出を用意します。
作成:株式会社P&Me/FAEVIA · 公開:
勤務と報酬から加入時期を確認
常時従業員を使用する法人の事業所は、事業主だけの場合も含め、健康保険・厚生年金保険への加入が義務付けられています。ここでは、この二つをまとめて社会保険と呼びます。
年金事務所で確認するのは、会社に加入手続きが必要か、本人はいつから加入対象になるかです。役員報酬を後から払い始める場合は、勤務を始めた日と支払開始予定を分けて伝えると、対象になる時期を具体的に確かめられます。
相談には、会社名、登記住所、実際に働く住所、働く人の名前、勤務開始日、報酬の有無と支払開始予定をまとめておきます。別の勤務先で社会保険に入っている場合や、扶養に入れたい家族がいる場合は、その状況も伝えます。
事業所と加入者の届出の違い
たとえば、社長一人の会社で、会社も社長本人も加入対象になると確認できた場合を考えます。会社は「新規適用届」、社長本人は「被保険者資格取得届」で届け出ます。一人の会社でも、この二つは別の役割です。扶養に入れる家族がいる場合は、その条件と追加の届出も調べます。
| 書類 | 何のために出すか | 準備する情報・資料 |
|---|---|---|
| 健康保険・厚生年金保険 新規適用届 | 会社の事業所が、社会保険に入るための届出。 | 事業所の住所、会社の証明書、法人番号の資料など。 |
| 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届 | 加入対象になる人を届け出る書類。被保険者は、その保険に入る人のことです。 | 加入する人の氏名など、届出様式で求められる本人情報。 |
| 被扶養者に関する届出 | 要件を満たす家族を扶養に入れる場合の届出。 | 家族との関係や収入など、扶養の条件を確かめる資料。 |
「被扶養者」は、この場合、加入者に生活を支えられ、健康保険の扶養の条件を満たす家族を指します。収入などの条件があるため、家族ごとに対象になるかを確かめます。
会社の届出に添付する資料
新規適用届に使う会社の資料と、資格取得届に使う本人情報は分けてそろえます。必要な項目は、日本年金機構の最新様式に記載されています。
法人の新規適用では、通常、提出日からさかのぼって90日以内に発行された登記事項証明書の原本などを用意します。登記事項証明書は、会社名や住所などの登記内容を証明する、法務局で取得する書類です。
法人番号を示す通知書の写しを添付できないときは、国税庁の法人番号公表サイトから必要情報を印刷して添付できる取扱いがあります。実際の事業所が登記住所と違う場合は、賃貸借契約書の写しなど、仕事をする場所が分かる資料も必要です。
提出期限と担当の年金事務所
新規適用届は、事業所が加入すべき要件を満たしたときから5日以内に提出します。会社の登記日を、そのまますべての会社の加入日と考えないようにします。勤務の開始や報酬の状況を伝え、いつから手続きが必要かを年金事務所で確かめます。
提出先は、担当の年金事務所または事務センターです。登記した住所と実際に働く事務所が違う場合は、実際の事業所の所在地を担当する窓口になります。電子申請、郵送、窓口持参の方法があります。
本人が加入対象になることを「資格取得」といい、「被保険者資格取得届」も、その事実が生じてから5日以内に事業主が提出します。事業所と本人、それぞれの届出に期限があるため、相談時に確認した加入日をもとに準備します。
社会保険の準備チェック
- 働く人、勤務開始日、報酬の有無と開始予定をメモする。
- 実際に働く場所を担当する年金事務所へ、加入日と必要な届出を聞く。
- 会社の証明書と、加入する人・扶養家族の届出資料をそろえる。
制度・手続きの確認日:2026年9月24日。国内の一般的な開業・会社設立を想定した案内です。必要書類や期限は、事業内容・会社の構成・所在地などに応じて提出先の最新案内で確認してください。
